チュウヤギャクテン。

主にSHISHAMOのライブレポートや遠征記を綴っています。

SHISHAMO NO OMANEKI TOUR!!! 〜開国2022〜 全公演レポート

 無事完走したSHISHAMO史上初の対バンツアー『SHISHAMO NO OMANEKI TOUR!!! 〜開国2022〜』、ファイナルから早くも3週間が経とうとしています。全7公演に足を運びましたので、公演毎のライブレポートと感想を残しておきます。総括は以下の記事に記載しています。

danr.hatenablog.com

 今回の対バンアーティストとの過去の交流については以下の記事にまとめています。

danr.hatenablog.com

 MCは公演毎にnoteに覚書をアップしています。

note.com


3/7(月) KT Zepp Yokohama
w/ 東京スカパラダイスオーケストラ


 記念すべきバンド史上初の対バンツアー初日。1~2月はライブがなかったため今年初ライブのSHISHAMO。前回のワンマンツアー同様、唯一の平日開催の横浜。

 『開国1発目のゲストということで責任を感じています!』と谷中さん。茂木さんは最新曲の「君にサチアレ」を初披露する前に、開国して世界を広げていくSHISHAMOにサチアレ!といったメッセージを残してくれました。

 SHISHAMOは対バン公演ではリスペクトの意を込めて1曲目にカバーを披露することが恒例となっていました。『SHISHAMO 3』リリース時期の「MUSICA」のインタビューでそのことについて触れ、過去に対バンしたアーティストとしてキュウソネコカミ先輩を一例に挙げて『3人のためじゃない曲を3人で表現する楽しさも少し掴めた』と話していました。鍵盤パートをコーラスで補ったりギターを2人分弾いたり、といったアレンジは度々行われてきましたが、スカパラの楽曲を3ピースで表現するというのはあまり意義がない気がするので、どのような対バンライブになるのか当日まで全く想像がつきませんでした。スカパラはゲストボーカルを招いた楽曲を多数リリースしているので、歌モノに1曲朝子が参加しないだろうか、そしてホーンが導入されているかつSHISHAMOの代表曲である「明日も」を一緒に演奏しないだろうか、…なんてことをぼんやりと妄想していたら、見事に現実になりました。

 
 
 
 
 
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 谷中さんの呼び込みで登場した朝子は、赤のトップスを身に纏った大人っぽい衣装。加藤さんとFMヨコハマ「Tresen」に出演した際、2017年のビバラアンセムズの話題になり、他の出演者は皆MCがある中でひとりだけアウトロの途中で退場してしまったことを謝っていました。(『MCは?って言ったら「大丈夫です」って(笑)』とのことで、自ら断っていたみたいです。ひとりだけMCがなく写真撮影の場面でも不在だったことがずっと気になっていましたが5年越しでその謎が明かされるとは…。)今回も前後でこれといったトークはなかったので「美しく燃える森」が選曲された理由はわからないままですが、SHISHAMOとしての出番のMCの中で『好きな曲だったから嬉しかった』と話していました。

 スカパラの皆さんとの「明日も」のコラボはアンコールで披露。ツインドラムにパーカッションにキーボード、そしてホーン隊、ということで大迫力の12人による演奏でした。「明日も」を本編でやらない関係でこの日だけセットリストの構成が異なり、2/3/3/2ではなく2/2/3/3の10曲でした。

 ししゃモバのタイムラインの動画で『客席で観たいぐらいメモリアルなステージになった』『バンドやってて良かったと思うことの中に深く刻まれた』と話していましたが、それって最上級の感想ですよね。本当にその通りで、私もこの日のライブは『今日までSHISHAMOを応援してきて良かった』と思う瞬間そのものでした。ライブを観て泣いた経験はほとんどないのですが、2017年の紅白の映像が蘇ってきたり、色々とエモすぎて珍しく泣いてしまいました。本当にメモリアルな“開国記念日”になりました。

 ちなみに、この“開国記念日”というのはMCでも話していましたが、ラジオで加藤さんが名付けてくれました。

 今回のツアーでは似顔絵付きの個別楽屋パスをゲストのメンバー全員分用意しているようで、手厚いおもてなしっぷりが伺えます。

 この日のライブの模様は翌朝の「めざましテレビ」と「THE TIME,」で取り上げられました。めざましはスカパラ谷中さん・茂木さん・加藤さんとのインタビュー映像もありました。

【セットリスト】
  1. ひっちゃかめっちゃか
  2. 中毒
  3. 狙うは君のど真ん中
  4. かわいい
  5. 春に迷い込んで
  6. 夏の恋人
  7. 夢で逢う
  8. 妄想サマー
  9. きっとあの漫画のせい
  10. 明日はない
  11. <EC> 明日も (w/ 東京スカパラダイスオーケストラ)

 

3/26(土) 仙台GIGS
w/ ピーズ


 地震の影響で開催が危ぶまれていましたが、会場の仙台GIGSに大きな被害はないということで無事開催。SHISHAMO史上最大の伝説になるかもしれない公演、中止・延期にならなくて本当に良かったです。ツアー2本目といえど、SHISHAMOの楽曲を一緒に演奏するなんてことはスカパラ以外はなさそうだし、その代わりにカバーをやるのか?コラボはあるのか?セトリは?…と謎だらけでした。

 開演前からふらっと登場しステージ上を歩き回っていたハルさん。ピーズのライブではよくある光景だったりするのでしょうか。そのまま暗転もせずSEも鳴らず「東の窓」からライブスタート。SHISHAMOのワンマンに行ったことがある人なら誰もが聴いたことがあるこの曲。そのことはMCでも触れていて、ハルさんはさいたまスーパーアリーナは癌を患って行けず、台風で中止になった等々力もチケットを買っていたとのこと。等々力のことを『いつかやるんだろうね~』と言っていましたが、本当に、いつか実現するといいな。コラボするならこの曲かなと予想していたこともあり、1曲目に持ってきたのは少し驚きました。(いつも通り終演後も流れました)

 『宮城には30周年の年のアラバキでお世話になりました』とアビさん。その30周年スペシャルステージに朝子がゲストボーカルとして出演していました。Date fm「SOUND GENIC」のインタビューでハルさんが言っていましたが、仙台には暫く行けていなかったみたいですね。『30周年の時は3人だったけど、メンバー減ったり増えたりで4人になりました。』今回のツアーの対バンアーティストが発表された時、ピーズってThe ピーズのことで合ってる?…なんて思ってしまったのですが、4人になってからTheを取ってピーズになった、というのは最近知りました。

 続いてSHISHAMO。ドラムの方を向いて構えたので、お?と思ったら、1曲目から初日とセットリストを変えてきました。「ひっちゃかめっちゃか」はセトリ落ちしたと思いきや5曲目にスライド。「夢で逢う」では1フレーズ歌ったところでごめんなさいしてやり直しました。大好きなピーズとのツーマンということで緊張していたんでしょうか。

 仙台といえばいつもなら“うまいもん通り”(これは名古屋駅構内の飲食店通りのことなので正しくはすし通り…)の仙令鮨の話をするのが定番ですが、この日はお寿司の話は一切せず、中学生の頃から好きなピーズへの愛を幸せそうに語っていました。それを聞いた美冴貴ちゃんは『朝子が「バンドやってて良かった」と言うのを聞いて、良かったな…って思いました。』と言っていて、本当に朝子のことが好きなんだな…ということが伝わりました。『高校で朝子と出会ってからピーズの存在を知った』というのは初耳でしたが、かくいう私もピーズはSHISHAMOに出会ってから初めて知りました。

 アンコールでは「バカになったのに」をコラボセッション。あんなにも幸せそうで笑顔が絶えない朝子は初めて見ました。『終わっちゃうのが寂しいですが…』と名残惜しそうにしていましたが、初日に負けないぐらいの特別な1日になりました。

 
 
 
 
 
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 ピーズのセットリストはたまぶくロカビリー風呂愚に載せてくれています。

 アンコールでハルさんが『外、大嵐らしいよ』と言っていた通り、この日は傘が差せないほどの強風でした。朝子は『帰れなくていい』なんて言っていましたが、本当に楽しかったんだろうな。

 楽屋パスにはしゃぐアビさんのツイート。

【セットリスト】
  1. 真夜中、リビング、電気を消して。
  2. 中毒
  3. 狙うは君のど真ん中
  4. 好き好き!
  5. ひっちゃかめっちゃか
  6. 春に迷い込んで
  7. 夏の恋人
  8. 夢で逢う
  9. 明日も
  10. 明日はない
  11. <EC> バカになったのに (w/ ピーズ)

 

4/2(土) Zepp Sapporo
w/ the pillows


 FM NORTH 「RADIO GROOVE」にコラボ出演した際、朝子はこんなことを言っていました。今回の対バンツアーは本来ならもっと早く開催されるはずだったんですね。(重要事項だと思いますがこの話は他ではしていないはず)

 今回のツアーのゲストは初めて対バンするバンドがほとんどの中、唯一過去に2回もツーマンしているピロウズ。うち1回は2016年3月に行われた唯一のSHISHAMO主催の対バンライブ『SHISHAMO NO TSU-MAN!!!』。その時のピロウズのライブは『朝子ちゃんのリクエストで…』が3回あり、「パトリシア」「そんな風に過ごしたい」「アナザーモーニング」というレア曲3曲を披露。アンコールでは「Ladybird girl」を一緒に演奏しました。

 今回も朝子からのリクエストに応えて、「ノンフィクション」「パトリシア」「Movement」の3曲を披露。パトリシアは「WOW MUSIC」の対談でも『(その時の女性は)大変な人だったけどね』なんて話していましたが、聴けて嬉しかったです。

 さわおさんは今回もロゴTを着用してくれていました。

 SHISHAMOが対バン相手の楽曲をカバーしたりコラボしたり、というのは想像出来ましたが、カバーされるというのは思ってもいませんでした。今までのカバーのお返しとして選曲されたのは「量産型彼氏」。去年の10月のキュウソとのツーマンでセイヤさんとヨコタさんが「中庭の少女たち」をピアノに乗せて歌ってくれたり、2017年8月のバニラズとのツーマンで「僕に彼女ができたんだ」を1コーラス演奏してくれたり、といったことはありましたが、こんなふうにSHISHAMOの楽曲をバンドでフルでカバーしていただくことは今までなかったので感激でした。CDのサプライズプレゼントもあり、SHISHAMOの3人も物凄く喜んでいたようですね。

 この3曲というのは、「オレンジ・フィルム・ガーデン」「ガールフレンド」「Ladybird girl」。(「Ladybird girl」は1回目のツーマンではさわおさんとコラボしましたが、2回目のピロウズにお招きされたツーマンでは3人だけで演奏しました。)オハラの朝子ソロを含めたらもっとありますね。

 SHISHAMOは今回もセットリストに変動が。横浜、仙台では演奏されなかった「君の大事にしてるもの」が入りました。MCではプレゼントしていただいた『PILLOWS 32』を見せびらかし、大興奮の様子でした。終盤では『今まではすぐ辞めるって思ってたけど、ピロウズ先輩を見ていたらバンド長く続けるのも良いかなと思っちゃった』といったような、グッとくる言葉も聞けました。「WOW MUSIC」で『ずっと途中なんだよ』という話がありましたが、その辺も影響された部分があったりするのでしょうか。

 アンコールではさわおさんと真鍋さんを迎え、2回目のツーマンでカバーし朝子が2019年のアラバキでゲストボーカルとして歌った「ガールフレンド」を一緒に演奏。横浜の「明日も」と仙台の「バカになったのに」、どちらも大盛況で幕を閉じたので、この曲をこのタイミングで聴けるとは思いませんでした。さわおさんはハイボールを片手に登場し、朝子は『終わっちゃう…終わったら帰らなきゃいけないよね?』とこの日も名残惜しそうでした。

 
 
 
 
 
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【セットリスト】
  1. 真夜中、リビング、電気を消して。
  2. 中毒
  3. 狙うは君のど真ん中
  4. 君の大事にしてるもの
  5. 妄想サマー
  6. 春に迷い込んで
  7. 夏の恋人
  8. 夢で逢う
  9. 明日も
  10. 明日はない
  11. <EC> ガールフレンド (w/ 山中さわお真鍋吉明)

 

4/9(土) Zepp Fukuoka
w/ TRICERATOPS


 今回のツアー初の3ピース同士の対バン、というのはライブ当日のSHISHAMO公式のツイートを見るまで気が付きませんでした。トライセラとは対バンが初めてなのはもちろんのこと、大多数が出演するイベントでもなかなか被ることがなく、それこそ初めて挨拶したという2015年のBAYCAMPが最後のような気がします。

 SEなしで登場し1曲目の「GOING TO THE MOON」を終えたところで早くもMC。はじめましての方が多い中、距離感があるまま3曲4曲いってしまうのは…ということで、お客さんと距離を縮める時間。今年デビュー25周年のトライセラSHISHAMOの若いお客さんをかっさらっていきたい、次のワンマンはSHISHAMOの曲ばっかりやるよ!…なんて言っていました。

 去年6月放送の「関ジャム」で共演した際にお誘いいただいたとのこと。(ということは『去年この対バンツアーをやれるかなって思った時期があって』の時は予定していなかったのだろうか?)直接お誘いしたのはトライセラだけ、と朝子が言ってました。

 お客さんとの距離を縮めるため、今度はメンバー1人ずつ名前と年齢を言い自己紹介。吉田さんは『吉田よしふみってよしが2つも入っててね、うちの親も思い切って付けたなぁなんて』と名前の覚えやすさをアピール。舞台袖でライブを観ているSHISHAMOの3人に向かって手を振ったり、退場時には投げキッスをしたり、とSHISHAMOをとても可愛がってくれていました。

 CROSS FM「MISHMASH FRIDAY -金ズマ-」で朝子がリクエストした「Jewel」も披露してくれました。

 ラストの曲は『朝子ちゃんもカバーしてくれた曲です!』という和田さんの一言から「Raspberry」で締め。ピロウズとのセッションが「ガールフレンド」だったこともあり、てっきり一緒にやるのはこの曲だと思っていたのでここでやってしまうのか!と思いつつも、また別の曲が聴けるという楽しみな気持ちも沸いたり。

 SHISHAMOはこの日は初日と同じく「ひっちゃかめっちゃか」からスタート。「警報」が今回のツアーで初めてセットリストに入りました。

 トライセラは今回のツアーよりも前から、バンドを始めた頃から対バンしたいと思っていた、という朝子。この言葉を聞いて、ピロウズをお招きした『SHISHAMO NO TSU-MAN!!!』はトライセラも候補には挙がっていたのかなぁ、なんて思いました。

 今年デビュー25周年のトライセラに対して美冴貴ちゃんは『ただ時間が経っただけじゃないというか、…なんて言ったらいいんだろう』と言葉を詰まらせつつも、音楽に真摯に向き合う姿がカッコいい、と語っていました。(だいぶ長かったのですが…大丈夫だよ、言いたいことはわかるよ!という気持ちで聞いていました。笑)朝子は3ピースバンドってやっぱりカッコいい、みんなもそう思うでしょ?とお客さんに問いかけていましたが、私も好きなバンドは3ピースが多いので全くの同感でした。

 アンコールではセンターにドラム2台、両端にギターとベースの3ピースのステージ構成で6人でトライセラの「ROCK MUSIC」を演奏。「ガールフレンド」はさわおさんと交互に歌う形でしたが、1番を和田さんが、2番を朝子が丸々歌いました。間奏は背中合わせでギターを弾き、和田さんの『朝子~!』コールからのギターソロ、カッコよすぎました。

 曲に入る前、まず『ステージ良かったよ~』と和田さんに褒めていただき、『SHISHAMOは3ピースでロックで尖ってるけどちゃんと“歌モノ”。それは俺達も見習いたい。』なんていう言葉もいただき、吉田さんからは朝子専用のペットボトルの水を固定させているスタンドを羨ましがられ…(昔はなかった気がするけど、今まで気にかけたこともなかった。笑)といった感じで、ラジオの時点で感じてはいましたが、本当によく喋る。『何してても話しかけてくれる』というのが目に浮かびます。初日横浜ではいつもワンマンでやっている手を繋いで生声での『ありがとうございました!』をやる?やらない?とお互いの顔を伺いながらも結局やらずに対バンの皆さんと流れるように退場していき、それはその後の公演でも同じでしたが、この日はトライセラのお三方が中央に寄っていきそれに合わせて3人も並び、6人で手を挙げるショットが見られました。並び順であわあわしていて、SHISHAMOトライセラ交互に?と思いきや彩ちゃんと美冴貴ちゃんが隣同士だったのでTシャツの色で交互になるように並んだのでしょうか。今回のツアーで、SHISHAMOの3人と最も距離が近かった対バンのように思いました。3ピース同士、非常に見応えのあるツーマンでした。

 
 
 
 
 
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 この写真の朝子。本当に良い笑顔してますね。。楽しかった様子が伝わってきます。

 恒例のプロビジョンギターからの御花、今回もありました。

【セットリスト】
  1. ひっちゃかめっちゃか
  2. 中毒
  3. 狙うは君のど真ん中
  4. 警報
  5. 君の大事にしてるもの
  6. 春に迷い込んで
  7. 夏の恋人
  8. 夢で逢う
  9. 明日も
  10. 明日はない
  11. <EC> ROCK MUSIC (w/ TRICERATOPS)

 

4/16(土) Zepp Nagoya
w/ フジファブリック


 ツアー折り返し地点。フジファブリックとは2016年3月のキュウソのツアー@沖縄以来の対バン。その時SHISHAMOは「Sugar!!」をカバーしましたが、今回フジは「楽園」に続いて2曲目に披露。2曲終えたところでMC。今年初の名古屋だそうで、『今日は僕達に居場所を作ってくれてありがとうございます。2曲やっただけなのに拍手とか手拍子とか凄く嬉しいな。SHISHAMOの開国をお祝いすべく集まったメンバーを紹介します!』と挨拶し、1人ずつメンバー紹介。6年前の沖縄の時のサポートドラムはBOBOさんでしたが、この日は伊藤大地さん。アルバム『I Love You』以降のレコーディングに参加されているようですね。

 キュウソのツアーを含めてSHISHAMOとは過去に数回対バンしていて、その中でも出会いの場である2013年に日比谷野音で行われた『ときめきジャンボリー』の話をしてくれました。

 このイベントは存在は知っていましたが、ソロで山内さんが出演していたというのは認識していませんでした…。

natalie.mu

 当時はバンド名スゲーなーと思っていたけど今ではすっかりSHISHAMOのファンという山内さん。『これは個人的な気持ちなんですが…』と切り出し、等々力の二度にわたる開催中止に心を痛め、他人事とは思えないと切実な思いを語ってくれました。

 『今言うことじゃないかもしれませんが』確かになぁ…なんて思いつつ、このMCからの『ライブでやったことない曲やります』。なんだろう新曲あったっけな?と思ったらまさかの聞き覚えのあるフレーズ。SHISHAMOの「明日も」をカバーしてくれました。イベントで一緒になったことはありながらもガッツリの対バンは過去1回で、それもキュウソのツアーでたまたま一緒になったというだけでそれほど深い関係ではないと思っていたので、これは全くの想定外でした。

 イントロ主旋律のホーンが同期ではなくキーボードでアレンジされていて新鮮でした。2番Aメロでは『栄も大須も』という絶妙な替え歌。この曲は6分超えの“クソ長い”曲なので(MCレポ参照)2番歌ってそのままアウトロかなぁ…と思いきや間奏、大サビ、アウトロありのフルコーラス。朝子も言っていましたが物凄く“フジファブリック”になっていて、素晴らしいカバーでした。リハーサルでもやらずサプライズだったようで、美冴貴ちゃんは舞台袖で泣いてしまったみたいです。

 「徒然モノクローム」「LIFE」と続き、『今日初めてフジファブリック観たって人、フジファブリックこんなバンドや!楽しいやろ!』。ラストは『心を込めて歌います』という言葉を残してから「若者のすべて」。その前の『居場所がないと思うことがあるかもしれないけど、今日のライブを観て“愛おしい”と思えたのなら、そこがあなたの居場所です。』という山内さんの心のこもったMCが印象に残っています。

 ツアー後半に入り、SHISHAMOはセットリストの傾向がわかってきたので「きっとあの漫画のせい」がそろそろ入るかなぁと思っていたら予想的中。MCではフジのメンバー3人それぞれについての印象や思い出を語っていましたが、金澤さんのターンで6年前の沖縄での島らっきょとタコライスの話に。自分達でツッコんでいた通り言葉で表現してもなんのこっちゃという感じですが、許可が降りたようで?金澤さんのTwitterにてリバイバルされました。『いつもこういうことしてるわけじゃないですよ』は、金澤さんからも全く同じセリフを返されそう…(笑)

 気付いたらSHISHAMOのファンになっていた、という山内さんの話の中で、SHISHAMOのことを『強くて優しくて美しくて』(順番は曖昧だけど美しくては間違いなく言っていた)といった言葉で示していました。それに美冴貴ちゃんは深く感動したようで、ネガティブになりがちだけどこの日はいつも以上に力を貰えたとのこと。フジの楽曲をよくラジオでかけていた彩ちゃんは『小学生の頃から聴いていたのでご一緒出来て嬉しい』と話していました。

 アンコールでは『セッションではあんまりやったことない曲』である「High & High」を6人で演奏。どの曲も難しいから迷ったけどこの曲なら…ということで鬼練して挑んだ、と。以前UNISON SQUARE GARDENとツーマンした際にユニゾンの演奏は『頭おかしい』と言っていましたが、朝子がこんなふうに言うのはこの時以来な気がします。1番を山内さん、2番を朝子がメインで歌い、サビではソロ歌ってない方がコーラス担当。間奏明けの♪アドレナリンが騒ぎ出す~からは5人ボーカル。フジとのセッションはしっとり系でくると勝手に予想していましたが、バチバチにカッコよかったです。

 SHISHAMOの時、朝子はマイクの位置が合っていなかったのか、登場後自ら調整していましたが、その時から凄いニコニコしてました。

 
 
 
 
 
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【セットリスト】
  1. 真夜中、リビング、電気を消して。
  2. 中毒
  3. 狙うは君のど真ん中
  4. 君の大事にしてるもの
  5. きっとあの漫画のせい
  6. 春に迷い込んで
  7. 夏の恋人
  8. 夢で逢う
  9. 明日も
  10. 明日はない
  11. <EC> High & High (w/ フジファブリック)

 

4/17(日) Zepp Osaka Bayside
w/ ORANGE RANGE


 私は朝子&美冴貴と同じ94年生まれですが、『オレンジレンジ先輩の曲を小学生の頃からたくさん聴いて育ってきた』というのは本当にその通りで、小4~6の頃はクラスメイト皆ORANGE RANGE聴いていて自分もそうでした。

 “鎖国”のSHISHAMOほどではなくとも、対バンがそれほど多くはないORANGE RANGE。コラボ生出演したFM802「ROCK KIDS 802」でHIROKIさんが『他のメンツがとんでもないバンドばかりなので、この中に僕達がいるってのがビックリ』と言っていましたが、ライブ中にも同じことを言っていました。

 ちゃんとお話しするのは先述のラジオが初めてだったようですが、SHISHAMOORANGE RANGEは2017年10月に「Uta-Tube」の収録で一緒になる機会がありました。収録は2アーティスト完全別撮りでしたが、楽屋に挨拶にきていたみたいです。

 ORANGE RANGEを小学生の頃から聴いていたのならアルバム『musiQ』はおそらく皆通ってきてると思いますが、「以心電信」「ロコローション」「祭男爵」とその頃の楽曲が続きます。青春を蘇らせてくれた一方で「ラビリンス」「SUSHI食べたい」といった最近の楽曲も聴くことが出来ました。

 新譜に直筆の送付状を添えて送る、という話は「WOW MUSIC」の尾崎さんとの対談の中で話に出ましたが、朝子は『色んな人に送っているわけじゃない』と言っていたので、今まで交流がなかったORANGE RANGEに対してそれをやっているとは思いませんでした。SHISHAMOのMCの中で『自我を持って初めて好きになった音楽』と言っていた通り、やっぱり特別な存在なのでしょうか。

 ラジオに出た時に朝子が「ジャパニーズピープル」をリクエストした話。放送中ではHIROKIさんに『最早俺も知らないよ(笑)平成20年頃から一度もかかってないよこの曲(笑)』なんて言われてましたね。

 「お願い!セニョリータ」の後に演奏されたのは2019年リリースの配信Single「Enjoy!」。サビのタオル回しが今は難しいということで、タオルの代わりに腕、どうせ回すなら両腕、どうせなら身体ごと回っちゃいましょう!と煽るHIROKIさん。『私そんなキャラじゃないから、という人。大丈夫です、みんな回っているので誰もあなたのこと見てません!』去年ジャイガでORANGE RANGEを観て「Enjoy!」のこのくだりは知っていましたが、SHISHAMOのお客さんはさすがにやらないのかな、と思ったら回っていない人が目立つぐらいみんな回ってました。この後の「イケナイ太陽」「キリキリマイ」も含めて、大盛況で幕を閉じました。開国2023、2024があるのなら予定空けて待ってます、と言いつつも、今度は俺達が呼ぶ番だと。いつか実現してほしいです。

 この大盛況の後のSHISHAMO。美冴貴ちゃんが登場するという瞬間にSEが止まり何事もなかったかのように最初からやり直したのは驚きましたが、1曲目に「君と夏フェス」がきてさらに驚きました。フェス以外で聴いたのは久し振りだったように思います。

 ORANGE RANGE先輩の「Enjoy!」での光景について早々に冒頭のMCで触れ、『こういうの出来るんだ~…』と拗ねたような口調で言いながらも、SHISHAMOのお客さんの新たな一面を引き出してくれるORANGE RANGEの皆さんは本当にスゴい、と感心していました。

 「春に迷い込んで」からのバラード3曲に入るところで『こっからゆったりゾーンに入ります』と言いました。今まではそんなこと言ってなかったのに、ORANGE RANGE先輩のライブであったまりすぎたからでしょうか。

 『みんなにとって私達はSHISHAMOだけど、私達も小学生だったし、バンドをやってない時期があった』バンドを始める前から聴いていたORANGE RANGEとこうして共演出来るなんて、バンドって夢があるなぁと朝子。美冴貴ちゃんも、初めてドラムをコピーした楽曲がORANGE RANGEの「ロコローション」ということで、今日のことは忘れないと語っていました。

 アンコールにて、ライブを観たHIROKIさんが『“一時開国”ってどういうこと!?』と、ラストの対バンにしてようやくツッコんでくれました。一気に開国すると危険を伴う、ということで、このツアーが終わればまた鎖国に戻るそう。曲に入る、という時に唐突に『キックの音いいね~』とバスドラムの音を褒めるRYOさん。ししゃモバの動画でもそのことに触れていましたが、突然の褒め言葉に驚きながらも心の底から嬉しそうでした。

 セッション曲はこれまでの傾向からすると、“平成20年頃からかかってない曲”はないにしても、コアな楽曲を予想していたので「上海ハニー」を選んできたのは意外でしたが、物凄い盛り上がりでした。フェスでORANGE RANGEを観る度に思うことですが、セットリストのほとんどが皆が知っている曲というのは本当に凄いですね。歌割は朝子のソロはなし。間奏のカチャーシーは朝子も踊っていて、その瞬間の写真をYOHさんがアップしてくれてます。

 フジファブリックORANGE RANGEもドラムはサポートなのでこの2日間のセッションはピンドラム。ラストのキメのタム回しが際立ってカッコよかったです。この日はサポートドラムのてっちゃんがGoProで撮影しながらステージ上を歩いていましたが、どこかに映像上がらないだろうか。リハーサルの様子はアップしてくれてます。

 朝子が『なんか今日近いね?』と言っていましたが、この日は他公演では潰していたA列にもお客さんが入っていました。ソールドアウトかつ当日券もなかったのはこの週の名阪の2公演のみでした。開国ファイナルにふさわしいツーマンになりました。

 
 
 
 
 
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 ORANGE RANGEのカメラマンさんのツイート。おもてなしは楽屋パスのみならず、お土産まで!

【セットリスト】
  1. 君と夏フェス
  2. 中毒
  3. 狙うは君のど真ん中
  4. ひっちゃかめっちゃか
  5. きっとあの漫画のせい
  6. 春に迷い込んで
  7. 夏の恋人
  8. 夢で逢う
  9. 明日も
  10. 明日はない
  11. <EC> 上海ハニー (w/ ORANGE RANGE)

 

4/24(日) Zepp Haneda(TOKYO)
ワンマンライブ


 本来ならFLOWER FLOWERとのツーマンの予定でしたがyuiさんの体調不良により急遽ワンマンでの開催。発表は2週間近く前であったことからコロナは関係なさそうなので心配ですね。真船さんのコメントが素晴らしすぎます。。

 初めての対バンツアーということで予測不能なことが多かった今回のツアーですが、ファイナルにしてセットリストも構成も予測不能というこれまた異例の事態。しゃもサポ先行を除いて落選の声が多く唯一の即完公演でありながら再販売はソールドアウトせず当日券も出ていたということは、それだけFLOWER FLOWERのファンが多かったのだろうか、とも思いましたが、前回のワンマンツアーのZepp Hanedaは最後の一般発売までチケット取れなかったので謎が深まります。

 1曲目は「ひっちゃかめっちゃか」でも「真夜中、リビング、電気を消して。」でもなく、これまでの公演で冒頭のMC明けに置いていた「狙うは君のど真ん中」からスタート。「中毒」「ひっちゃかめっちゃか」と3曲終えたところでMC。今回のツアーで一番緊張しているという美冴貴ちゃん。同じく緊張していて『ワンマンで大丈夫かなぁ、体力持つかなぁ』と朝子。いやいや今まではワンマンしかやってなかったでしょ(笑)、なんて思いましたが、いきなり倍近くの持ち時間となるとやっぱり緊張するのでしょうか。

 MC明けは今回のツアーでは初の「ドキドキ」。久し振りに聴いた気がしますが、曲中のハイ!や手拍子はかなり高めの浸透率でした。

 ワンマンになった分MCもたくさん喋れるから近況を話そうとしたけど死ぬほどなんもなかった、ということで最近ライブ前にやっているラジオ体操の話をしていました。それだけツアーに集中していたということでしょうか。

 バラード3連続の流れはこの日も変わらず。「夢で逢う」の見どころのE-BOWの部分は出だしノイズ入ってしまっていましたが、それもライブの良さですね。

 後半戦。今となってはレア曲の「許してあげるから」、2020年6月のオンラインライブでしか披露していない「天使みたい」と立て続けに予想外の選曲。特に「天使みたい」はあのツアーを象徴する楽曲の1つであり、今後聴ける機会はないかもしれないと思っていたので嬉しかったです。

 ワンマンで恒例の“○○な話”、今回は福岡でトライセラと対バンした際のDr.吉田さんとのエピソードを披露。『違う世界にいると思ってた人も、こうした努力の延長線上にいるんだ』ということに気付き背中を押された、というとても良いお話でした。

 アンコール1曲目はMCなしで「曇り夜空は雨の予報」。これまでの6公演ではゲストを招いたセッション曲を披露していたこと、アコギを準備していたことから予想はしていましたが、FLOWER FLOWERとの馴れ初めの説明の後に3人で「スタートライン」をカバーしました。FLOWER FLOWERはお互いのバンドの紀元前を知る間柄であり、一緒にツアーを回っていた時に歌われていた曲とのこと。今回のツアーにおける緊張の理由のひとつとして、毎公演アンコールでセッションがあったことを挙げていましたが、この日は『3人だけで心細いんですけど…』と言っていたのでまた違った緊張感があったんでしょうか。

 ラストは本編でやらなかった「恋する」かなぁ、と思っていたところ曲に入る前に朝子が鳴らした最初の1音に『え?』と衝撃を受ける。冒頭で『普段あまりやらない曲なんかも出来たら』と言ってはいましたが、ここへきての「メトロ」は多分誰も予想していなかった。調べたら2019年の日比谷野音以来、その前は2017春のワンマンツアー。映画がテーマの2017春のツアーではエンドロールをバックにこの曲で締めだったのでその印象が強く、野音でもアンコールのラストでした。ししゃモバのタイムラインでも話題になっていましたが、彩ちゃんの提案のようですね。最後の最後に大好きな曲が聴けて感無量でした。

 ステージ中央に集合し生声での「ありがとうございました!」、からの退場BGMのピーズの「東の窓」。SHISHAMOのワンマンでは当たり前の光景ですが、バンド史上初の対バンツアーのファイナルのワンマンということで、いつも以上に東の窓が沁みました。

 『開国したら貿易でしょ』ということで、次の対バンツアーは貿易?らしいです。今回のツアーでははじめましての人に向けて、毎公演“開国”の説明をしていましたが、今回以上に丁寧な説明が必要になりそうですね…(笑)

 
 
 
 
 
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【セットリスト】
  1. 狙うは君のど真ん中
  2. 中毒
  3. ひっちゃかめっちゃか
  4. ドキドキ
  5. 君の大事にしてるもの
  6. きっとあの漫画のせい
  7. 春に迷い込んで
  8. 夏の恋人
  9. 夢で逢う
  10. 真夜中、リビング、電気を消して。
  11. 許してあげるから
  12. 天使みたい
  13. 好き好き!
  14. 量産型彼氏
  15. 明日も
  16. 明日はない
  17. <EC> 曇り夜空は雨の予報
  18. <EC> スタートライン (FLOWER FLOWER カバー)
  19. <EC> メトロ

 

 改めて、約2ヶ月にわたるツアーお疲れ様でした。春フェスを挟んで次は6月の野音ワンマン。今回聴けなかった「SHISHAMO 3」以前の楽曲や、有観客ライブでは未だ披露していない「忘れてやるもんか」が聴けることを期待しています。