チュウヤギャクテン。

主にSHISHAMOのライブレポートや遠征記を綴っています。

2020年のこと。

 前回の記事で「年内ライブはあと2本」と書きましたが、内1本が開催中止(延期検討中)になってしまいました。今年はSHISHAMOに限らず、どの業界においても異例の年となりましたが、いつも通り1年を振り返ってみます。

 
 今年は新型コロナウイルスの影響で春のワンマンツアーは全公演中止、「どうか晴れてくれ」と毎日お祈りしていた等々力陸上競技場でのワンマンライブも早い段階で開催中止が発表され、どう振り返ってもネガティブなことが多かった年でした。その中でもポジティブな内容はいくつかあり、それをフォーカスして振り返っていきたいのですが、SHISHAMOの2020年最大のトピック、それは、“マネージャー交代”、なのではないかと個人的には思います。

 普通はアーティストのマネージャーが代わることなんて私らファンからしたら大したことではないのかもしれませんが、私としてはSHISHAMOを応援してきた中で一番といっても過言ではないぐらい大きな出来事であり、同じ思いの人は他にも少なからずいると思っています。観察日記で最初に報告を聞いた時、本っ当にショックを受けました。年齢オーバーにつきK2さんがメインになることは今後あるかもしれないとは思っていましたが、完全に管轄外になることは少なくともこのタイミングでは想定していませんでした。(そこまでは言っていませんでしたが『これからは皆さんと一緒に応援するSHISHAMO』という文章を見る限りそういうことなのかなーと)SHISHAMOが終わる日まで、ずっと付いていてくれると思っていました。ショックを受けると同時に『大丈夫なの!?』という心配が募らずにはいられませんでした。『カワズさんいなきゃ無理だよ…』と思ったし、正直今でも思ってます。ディスクガレージと縁が切れることはなさそうなのでライブについてはあまり心配していませんが、『テレビ出れなくなったらどうしよう…』とか…。大変失礼な話であり素人がすみませんという感じではありますが、現に今年の3月以降地上波への出演はないし、本当に『大丈夫かなあ…』と心配しています。『これからもSHISHAMOは、当たり前に続いて行きます。』カワズさんが残していったこの言葉、これが唯一の希望です。本当に?と思うところはありますが、この言葉を信じてこれからも応援していこうと思います。カワズさんとの思い出(向こうは覚えていないだろうから一方的なものですが)はここには書ききれないので振り返ることはしませんが、挨拶出来ないままになってしまったので忘れられないうちにまたどこかでお会い出来るといいなと思います。

 この話はこれぐらいにして…2020年の活動としては、まず1月に6枚目のフルアルバム「SHISHAMO 6」がリリースされました。『次出るアルバムは絶対最高のものになると確信したと同時に、一周回ってシンプルになったなー、なんて思った』これは千葉LOOKで初めて「真夜中、リビング、電気を消して。」を聴いた時の感想ですが、アルバム全体としてはバンドサウンドから離れた楽曲も含まれ、曲の主人公の年齢設定も全体的にグッと上がっていました。最新号の「MUSICA」の編集部が選ぶ「2020年・年間ベストアルバム50」のレビューにあった“成熟と変化”という表現、3→4、4→5の過程でも少なからず変化はありましたが、その時以上の大きな変化を感じました。戸惑いはありましたが『みんなの中にあるSHISHAMOの年齢が止まっているからなのかな』いうインタビューでの朝子の言葉を読んで、なるほどなあと思いました。これは春ツアーの振替オンラインライブの感想でも書いていた内容です。

 ただ、にしても…というところはあり、同棲カップルを描いた曲が多かったりするのはまぁ…やっぱり気になりますが(「Talking Rock!」3月号の『僕が聞いてるんですけど(笑)』のくだり笑った)、それでも『SHISHAMO変わっちゃったなー』と寂しく感じるようなことはなく、この“変化”を凄くわくわくしながら聴いています。先日出演したFM802の「Poppin'FLAG!!!」にて、美冴貴ちゃんが『新曲が出来る度に新しい部分があるけど、それが全部“いい”、“新しい”プラス“いい”がずっと』と言っていましたが、それは全く同感です。5月と今月にリリースされた配信シングルはいずれも3ピースのバンドサウンドがメインであり『一周回ってシンプルになった』といったことも感じましたが、挑戦的な気持ちで作ったという「人間」は今までとはまた違ったSHISHAMOの一面が見られ、新曲リリースの度に本当に毎回驚かされています。「6」リリース時に出し切ったと言っていたのでそろそろ結婚かなあと心構えをしていましたが、今はレコーディング真っ最中のようですし、2021年も“いい曲”および“新しいSHISHAMO”が沢山聴けることを期待しています。自粛期間中、リズム隊の2人にも「歌詞書いてみません?」と投げかけていたみたいですが、あれはどうなったんでしょうかね。そろそろ吉川作詞の曲も聴いてみたいな。

 今年のライブ本数は、春ツアー・等々力の中止によりワンマン13本(ツアー19-20:10、FCツアー:3)、フェス1本、列伝同騒会4本の計18本、プラス無観客オンラインライブ1本、という結果になりました。一気に世界が変わってしまったので直近のFCツアーとメリロ以外は遥か昔のことのように思えてしまいますが、コロナ禍突入直前に同騒会ツアーを回れたのは本当に良かったと思います。そして、コロナ禍において開催された初のFCツアー。不安要素は一切なく、セットリストも含めて大満足の内容でした。各々の感想については別途記事をアップしているので今回は割愛しますが、やっぱり「6」の引っ提げツアーは生で観たかったなあ…。ディレクターズカットは期間限定とのことだったけどまだ観れるみたいです。今年唯一のフェスとなったメリロは、朝子も言っていましたが開催出来たのが本当に奇跡でしたね。

 その他の大きなトピックとしては、先日の中村憲剛選手の引退セレモニーに向けてのスキマスイッチのしんたさんとの初の“共作”。オフィシャルの楽曲制作のコメントを見る限り、SHISHAMOへのオファーはしんたさん発信だったそうで。朝子がメロディーでしんたさんが詞と編曲というパターンは予想外でしたが、とても良い曲なので配信が決まって本当に嬉しかったです。いつか一緒に演奏するの聴いてみたいな。

 2020年のSHISHAMOの活動としてはこんなところですが、忘れずに振り返っておきたいメディア出演が3つほどあります。1つ目は「SHISHAMO 6」のリリースのプロモーションで出演した、本仮屋ユイカちゃんがパーソナリティを努めるTOKYO FMの番組「三菱地所レジデンス」です。『何かのラジオの文字起こしを読んだ時に、3人が “仲良いけど仲悪いです” って言ってるの読んで、この3人めちゃくちゃ好きって思ったんですけど』…というトークから始まったわけですが、それを聞いて私は『この人好き!』って思いました。さらには『それを言えちゃう感じがいいなって』『仲ほんっとに悪い人には仲悪いって言えないじゃないですか』と言っていて私は『そう、それ!!!』ってなりました。『仲良いのが気持ち悪い』というわけではなく『グループは仲良し売りしなきゃいけない』という風潮が私はどうもニガテだったので、SHISHAMOのこの感じを最初に見た時はユイカちゃんが言っていた通りのことを思いました。(昔は今ほどは仲悪い発言していなかった気がしますが)曲が良いのはもちろんではありますが、ガールズバンドを聴けない自分がこれほどまでに夢中になってしまったのは、そういった3人の絶妙な関係に惹かれているから、ということを思い出させてくれました。本当に良い関係だなーと思います。特に、同級生2人の関係が私はたまらなく好きです。何かのラジオの文字起こしを読んだ、ということで、この仲悪い発言は度々メディアで披露していますが、この視点から入っていった人は初めてだった気がします。ユイカちゃんは元々好きな女優さんでしたが、さらに好感度が上がりました。番組サイトの放送後記も要点を掴んでいて素晴らしいです。

www.tfm.co.jp

www.tfm.co.jp

 2つ目は有泉さんによる「MUSICA」のインタビュー2本です。「明日はない」「妄想サマー」リリースのタイミングで発売された6月号の写真は自宅にて撮影、ということでファンとしてはたまらない内容だったりしたのですが、インタビューの内容も非常に読み応えがあり、私が聞いてほしかった内容をわりと直球でいくつか聞いてくれていました。具体的に言うと『以前は完全にフィクションだったけど「私の夜明け」を始まりに自身の想いを歌う曲が表に出てきた』という点に触れてくれたところと、最新号の『人生観が変わった?』という質問。「夏の恋人」リリース時のインタビューでは『5年後までやっていますかね?』『5年後ってもう26歳じゃないですか!』『結婚もしたいし…』なんて言っていました。それから5年近くが経過し今年26歳となり、結婚したいのは変わらないみたいですが、なんだかずっと音楽続けてくれるかのように読み取れたのだけど…それは私の思い込みなのでしょうか。以前話していた『子供にピアノを教えて』とかそういう意味なのかもしれないし、『わからない』とも言っているし、『辞めます』となった時にショックが大きいのであまり良い方向に捉えないでおきますが…少しは人生観変わったのかな?とあのインタビューを読んで感じました。6月号の『死にたくならなきゃ恋じゃない』という恋バナ(有泉さんは恋バナだと思っていなかったみたいだけど)は、有泉さんの解釈を読んで初めて「なるほど」と思いましたが、力説されても私にはさっぱりで『そうですか…』としか思えず(笑)私がそういう人間でないからだとは思いますが、わかる人にはわかるのだろうか…。朝子は何を考えてるかわからない時が多々あり、最新号の“満たされない”ということについての考えもよくわからない、というか読んでいて心配になってきたりしたのですが…「SHISHAMO 4」リリース時のインタビューを振り返ってみたら、その時も『音楽に限らず、満たすものは何もない』と答えていました。変わったと感じることも沢山ありますが、変わらない部分はあるんだな、ということを改めて思いました。『一番大事なのは曲』というのもそのひとつですね。

 6月号のインタビューでは“嘘をつきたくない、嘘をつかない自分でありたい”といったことがテーマの1つとして語られていました。それを受けて最新号のインタビューを読むと「ん?」と感じる部分はありましたが、「人間」は普段考えていることを書いてはいつつも完全に自分のことというわけではないようなので、そういうことを考えている主人公の曲、といった感じなのでしょうか。こういった“挑戦的な曲”は有泉さんが最後に言っていた通りこれからも聴いてみたいので、どんどん振り回していってほしいです。

 「人間」といえば。「君とゲレンデ」ぶりに上原実矩ちゃんがMVに出演していますが、自粛期間中に実矩ちゃんがインスタでSHISHAMOについて1時間近く喋る、といった企画を配信していました。『朝子ちゃんとお酒飲みました』という情報は今年一番の収穫でした…。(酒の話を今まで聞いたことがなかったので全く飲めないと思ってました)まだ観れるみたいなので知らなかったという人は是非。

 3つ目は、7月26日にオンエアされた「Love music」です。これは触れるべきか迷ったのですが、3年越しに初めて知ることが出来たエピソードがあったのでここに書き留めておきます。2週にわたる鹿野氏トークゲストによるビバラ大特集ということで、この週は歴代の“VIVA LA J-ROCK ANTHEMS”の特集が組まれていました。朝子は2017年にアンセムズのゲストボーカルに選出され、aikoの「カブトムシ」のカバーを披露しました。予告の時点で朝子の名前はラインナップにありましたが、当時のリハーサルの風景など、どこにも出ていない貴重な話が聞けました。森高さんも大絶賛でした。

 その皆が無言になったというリハーサル直後の有泉さんのインスタ投稿。その時の物凄い空気感が伝わってきます。今回の特集でここまでフィーチャーされると思っていませんでしたが、宮崎朝子の凄さを再確認出来た機会でもありました。 

www.instagram.com

  この放送は8月上旬に開催された「ビバラ!オンライン 2020」のプロモーションでもあったのですが、その中のアンセムズの振り返りトークでは米咲さんが“思い出の曲”としてセレクトしてくれました。

  そんな人がもうこの世にいないということが今でも信じられませんが、このアンセムズの「カブトムシ」は間違いなく音楽界の歴史に残る名演だったので、この映像は宝物として残しておこうと思います。


 2020年は直接お会い出来る機会はなかったものの、これまでの活動や思い出を振り返る時間が出来たこともあり、今まで以上にSHISHAMOが、宮崎朝子が好きになった1年でした。おうた動画もレコーディング風景の動画も毎日のように見ています。2021年はどんな年になるのかまだわかりませんが、きっとリリースされるであろう「SHISHAMO 7」に期待を込めて、引き続き追いかけていきたいと思います。皆様、来年もどうぞよろしくお願いします。