チュウヤギャクテン。

主にSHISHAMOのライブレポートや遠征記を綴っています。

2018年のこと。

 今、紅白歌合戦を見ながらこの記事を書いていますが、あれからもう丸1年経つんですね。ということで、改めて今年1年間に思いを馳せてみようかと思います。


 メンバーが言う通り、今年は色々あった1年でした。「等々力の中止以外にも、ここで言うようなことじゃないような、ししゃも大丈夫かなぁ…って思うことが色々あって」これは先日のZepp Tokyoでの朝子の言葉ですが、朝子がこういったネガティブな発言するのって珍しい気がするんですよね。目に見えない部分のことは知る由もないですが、多分、ベースが交代した2014年に次ぐ、もしくはそれ以上に大変な1年だったと思います。
 避けては通れない、夏の等々力ワンマンライブの中止。2年間かけて積み上げてきたプロジェクトが一瞬にして崩されるという虚しすぎる現実を、朝子は「運も実力のうち」と言い聞かせたわけですが、まさか本当に開催出来ないなんて誰もが当日まで思いもしなかったでしょうね。(これは自分も含めて)メンバー交代等はありつつも、デビューからここまで順風満帆に駆け抜けてきたSHISHAMOにとって初めての苦境。3人の泣いている姿は初めて見ました。「全ての日々が7月28日のためにあった」あの子達の等々力陸上競技場でのワンマンにかける思いは自分が思っていた以上のものでした。
 その後1発目のライブとなった日比谷野音でのワンマン。夏の等々力が区切りでその前と後とでは全然違う、1年として一括りには出来ない、今年1年を振り返る場面で朝子はそう言いましたが、確かに、この日のライブは上手く言葉に出来ないけれどそれまでとは何かが変わった感じがしました。今まで敢えて目標を持たずにバンドを続けてきたSHISHAMOに目標が出来たことは大きな変化。「諦めなくて良かったです。。」今まで数々のライブを観てきましたが、松岡加入後最初のツアーのファイナル公演赤坂BLITZで朝子が言ったこの言葉がずっと忘れられず、今でもあの頃のことをたまに思い出します。「今も昔もこれからも、全てのことに精一杯向き合っていきたい」SHISHAMOのことを一番最初から見ているわけではないですが、朝子のこの言葉に嘘はないことはわかります。来年じゃなくても2年後、3年後でもいいので、今年の7月28日の出来事を懐かしく思い返せる日が来ることを願っています。この日のことは忘れないでおこうと思います。
 3月にリリースしたシングルは収録曲全てタイアップ付き、表題曲の「水色の日々」は長年憧れていたカルピスのCMソングに抜擢され、大物プロデューサー・小林武史氏との出会いもあり2018年も順調な滑り出しのように見えましたが、年末歌番組への出演はゼロ、紅白出場者にも名前は無く、新譜も売り上げが伸びなかったりワンマンのチケットもなかなか売り切れなかったり(これは今に始まったことじゃないけど)、と正直かなり厳しい状況だと思います。等々力の中止は誰のせいでもないとはいえ、2017年の大躍進の流れを上手く繋げられなかったのは本当に痛い。あの日のリベンジはきっといつか果たすと思うしもしかしたら既にブッキング済なのかもしれませんが、2年後、3年後に今の人気を保ち続けている保証なんてどこにもないわけで。ハッキリ言うと、今は不安しかないです。Nコン課題曲が決まっていなかったらそれこそ「ししゃも大丈夫かな…」って感じで、今まで右肩上がりで止まることなく昇り続けてきたこともあり、こんなことを思うのはSHISHAMOを応援し始めてから初めてなので戸惑っています。昨日の渋谷クアトロでのジャッジメントでも「2019年もししゃもについてきてくれますか?」「ほんとかよ。すーぐ他んとこ行くから!」と若干弱気な発言をこぼす朝子。売れることが全てではないし、“去るもの追わず”で良いと思ってくれる人達しか相手にせず自分達のペースで音楽やってくれればいい、と思ったりもしますが、本人達はそれでいいかもしれないけど大人は多分そうもいかないわけで。自分はというと、SHISHAMOの活動の中で「何でこんなことするんだろ」って思うことはそれほど無くて、朝子が言うように取り囲む人達が素晴らしいってことは本当に伝わってきます。かと言って、出されるもの全てに対して良いと思うわけではなくて色々文句も言ってますが、何度も言ってる通り、…もうどうしようもなく朝子が好きなんですよね。たとえ新譜の評判が良くなかったとしても、朝子が「良いアルバムが出来た」と言うのならその言葉を信じるしかないし、朝子が辞めると言うのなら悲しいけどそれは仕方がないことで。(これは多分他の2人も同じだと思う。)才能がある=売れる、ではないのが現実ですが、朝子が“良い曲”を発信し続ける限り、自分は信じてついていこうと思います。
 少し話は逸れますが…見つけたバンドがそれなりに売れることって、本当に奇跡だと思うんです。音楽で飯を食う、それだけでも凄いことなのに、ゼップ、武道館、城ホール、ガイシホール…どれも本当に奇跡みたいな空間で。それはいつかは終わりが来るけれど、その奇跡をまだまだ終わらせないでほしいです。好きなバンドが売れることが遠くに行ってしまうみたいで寂しい、と言う人がよく居ますが、自分はそれは全く思わないし、何となくだけどSHISHAMOはどれだけ大きくなっても遠くには行かない気がしているので、今以上に、もっともっと上に行ってほしいです。今年は思うようにいかないことが多かったと思うので、来年はその分もっと精力的に活動出来るといいですね。
 冒頭からマイナスなことばかり書き連ねてしまいましたが…今年1年間悪いことしかなかったわけではなく、良い思い出もたくさんあります。今年は等々力ワンマンに専念するため夏フェスへの出演が無かったり、アルバムのリリースが例年よりも少し後ろ倒しになったりはしましたが、年2本のワンマンツアーを軸とした1年間の大まかな流れは例年通りでした。春のホールツアーは3ヶ月にわたるバンド史上最大規模のツアーで、本数も2014秋・2017春の19公演を上回る全19箇所20公演、と過去最多。このツアーは“日常”だったと朝子は言っていましたが、個人的にも本当にその通りで、月〜金働いて土日にツアーが待ってる、3ヶ月間ずっとそんな生活でした。1~2日空きで短期間で周るのとどちらが負荷が高いのかはわかりませんが、このツアーでは各公演御当地映像の上映があった関係で撮影を兼ねて各地観光出来たはずなので、充実したツアーだった気がします。(ライブよりもそこが大変だったと本人達言ってましたね。)初めて訪れる都道府県もいくつかあり、ワンマンライブ47都道府県制覇まで、残すは岩手・滋賀・徳島・佐賀の4県になりました。会場のキャパが大きくなった今では地方開拓はなかなか難しいと思いますが(ライブハウスなら思い付くけどホールとなると…)、近いうちに実現するといいですね。これ、お前が言うなよとしか思われないと思うけど、地元で観るライブってやっぱり特別なので。
 春のツアーが終わってすぐ、5枚目のフルアルバム『SHISHAMO 5』がリリースされました。恋人にもなれてない君とのあれこれを考えて恥ずかしくて情けなくなってる頃に比べたらまぁー随分と大人になったなーっていう印象ですが、一番の大きな変化はやっぱり、リード曲的扱いにもなっている「私の夜明け」だと思います。この曲の話は春のツアーの総括記事で散々書いたので省略しますが…朝子も日々生きている中で色々と思うことがあるのねー、ということを知れたのと同時に少し心配になったり。自分は日々を頑張って生きてないからか、この曲聴いて共感して泣くようなことは未だに無いのですが、最近は純粋にいい曲だなーと思いながら聴いてます。「戦うことも逃げることも 上手じゃないから後悔するんだろうな」ってところが特に好きです。
 9月に毎年恒例の野音ワンマンがあり、11月からは『SHISHAMO 5』を引っ提げたツアーがスタート。現在も開催中ですが、今回は初の年を跨ぐツアー、初の札幌・仙台・福岡2days、そして何と言っても初の海外公演!と初めてのことづくしのツアーだったりします。初の海外公演のLegacy Taipeiでのワンマンは今年の一大ニュースとしては誰も挙げませんでしたが(吉川は等々力ワンマン中止、朝子は『SHISHAMO 5』のリリース、松岡は…「自転車盗まれた」。。)、個人的には間違いなく、今年一番のビッグイベントでした。台湾にあんなにたくさんのSHISHAMOファンが居るとは思っていなかったので驚きました。上海は残念でしたが、ニーズが無いものをやっても仕方がないのでね。そもそも、海外まで進出する必要があるのか?と思ったりもしますが、台湾公演は大成功だったので、2回目期待出来そう。
 今年の年間ライブ本数は、フェス・イベントも含めると計43本。夏フェス出演が無かった分例年よりも少なめですが、そのうちのほとんどがワンマンというのは本当に凄いですね。個人的にはもう少し対バンも観たいですが、わけのわからんバンドとは共演してほしくないので(SHISHAMOの場合はそもそも誘われることが滅多に無いと思いますが…)、今まで通り活動していってほしいです。年明けに決まっているウルフルズとのツーマン、これはとても楽しみ。
 2019年は、1月いっぱいはツアーがあるので春以降の動きがどうなるかはまだわかりませんが、春フェスもいくつか決まっているし、多分来年もたくさんライブをする1年になる予感がしています。来年も引き続きSHISHAMOの音楽が聴けるという事実だけで、明日からも毎日日常を楽しく生きられそうです。この先一生他んとこ行かずについてくか?と聞かれるとそれは100%約束出来ないけれど、今のところは大丈夫そうなので…バリバリ、ガツガツ活動していく姿を、一つ一つ全力で追っていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。最後に。ツイッターにて毎年恒例で勝手にやってる1年間の振り返りシリーズ「SHISHAMO NO 2018!!!」のリンクを貼っておきます。