読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

SHISHAMOワンマンツアー2016春「少女たちが恋心に気付いたのは、宇宙からの旅がえり」総括レポート

SHISHAMOワンマンツアー2016春

f:id:danr:20160531213321j:plain

 『SHISHAMOワンマンツアー2016春「少女たちが恋心に気付いたのは、宇宙からの旅がえり」』と題したSHISHAMO初のホールツアーが先日15日、福岡サンパレスにてファイナルを迎えた。初日川口からファイナル福岡まで全11公演、約1カ月にわたり開催。歴代のツアーの中では比較的短いツアーだったが、非常に濃いツアーだった。
 というのも、SHISHAMOは毎年春・秋と年に2本のツアーを回っていたのでもうワンマンツアーも5本目、松岡加入からでも早くも4本目となるが、今回のツアーはこれまでのツアーとは全く異なるものになっていた。…というのが初日川口公演を観た後の率直な感想。この“全く異なる”という点、人それぞれ反応が分かれると思う。物足りなさを感じた人もいるかもしれない。私は今回のツアー、とても好きだった。素晴らしいツアーだった。バニラズの進ちゃんがカメレオンライツツアーが始まる前、「来るか迷ってて来なかったヤツ全員後悔させてやる」と言い放っていたのを思い出した。まさにそんな感じ。「本当にたくさんの人に観てほしい」とK氏も観察日記で言っていた通り、とにかく色んな人に観てほしいようなスゴいツアーだった。「ワクワクなことを考えている」「ライブハウスツアーとは違う“何か”を練りに練っている」などと自分達でハードルを上げ、なに風呂敷広げてんの!…なんて思っていたが、何というか参りましたといった感じになった。今回のツアーを観て、SHISHAMOはガールズバンドというくくりではないすっげえバンドだと改めて感じた。
 スゴいスゴい、と漠然と言っているが、何がスゴいのか。今回のツアー、通称旅がえりツアー?は、初のホールツアーということで、大掛かりなセットや映像等をふんだんに取り入れ、ホールでしか出来ないような構成・演出になっていた。「まるで劇を観ているみたいだった」という感想を見かけたが、頭から終わりまでがひとつのストーリーになっていて、アイデアを出し合い時間をかけて作り上げられたものであるということが本当に感じられたツアーだった。「もう一度初めて観たい!」と言っていた人がいたのだが、その表現、本当に共感する。「今日初めて観る人が羨ましい…」と、公演の度に思っていた。
 前置きが長くなったが、公式メディアであるSPICE、DI:GA onlineより各々今回のツアーレポート(神奈川公演のもの)が数日前より掲載されている。これを読んで、自分も何か書き綴りたいなと思ったので以下、全11公演を制覇した物好きなファンによる、個人的な感想を含む旅がえりツアー(正しくは宇宙ツアーか)レポート。(正直に言うと個人的にそのオフィシャルのレポートが今一つ気に入らなかったりしたのだが(主にSPICEの方)、ただ単純に素晴らしいツアーについて書き残しておきたいという思いもあるので思いつくままにつらつらと書く。長いよ。笑)所々上から目線なのは、愛があるが故の、ということで。笑 ツアーの概要はそのオフィシャルのもので大方把握出来ると思うので、まだ読んでないなんて方がいたら是非一読を。SHISHAMOの公式HPのMEDIA欄からリンクされてます。

 開演ジャストスタート!遅刻厳禁!と観察日記にもあった通り、今回のツアーは開演17:30丁度に暗転。…したのは実は初日の川口だけで、他の箇所ではハコのライブほどではないが数分遅れてスタートした。機材トラブルがあったり、メンバーの一人が開演直前に鼻血を出し時間が押した、なんて日もあったが、おそらくほとんどの会場で客の入場が間に合っていなかったように思える。開場時間前に余裕をもって到着しても鬼の入場列に驚嘆すること多々。ホールツアーで客入れ30分というのは少し無理があった気がする。
 吉川サポーターの方は15分前に場内へ!と勧められていたが、各公演17:20頃になると朝子画伯のイラスト&何かと宣伝担当・吉川のナレーションによる今ツアーグッズの紹介や公演における注意事項を含んだ映像が上映された。このナレーション、最初は録音を流しているのかと思っていたがどうやら毎回その場でアナウンスしていた模様。ほとんど噛んでなかったし、LINEでお馴染みのショートムービーの面白コント?もそうだけど上手いですねー。ほんと録音かと思った!…と本人に言いたかったぐらい。笑
 そんな本編以外の凝ったコンテンツもあり、いざ開演。スクリーンが降りてきて、朝子氏のイラストによるアニメーション映像からスタート。SHISHAMOの3人が宇宙ロケットの前で記者に囲まれているシーンから始まる。SHISHAMOが宇宙デビューを果たし、「宇宙ツアー」が開幕。「オーディエンスの歓声がエネルギー源」という宇宙船に乗り、各惑星でツアーを回る。次の惑星がツアーファイナル。

 地球に戻れるくらいの燃料は残ってる?
 
もうひと踏ん張りかな~
 
早く帰ってトンカツ食べたい~!

 SHISHAMOファンの方はお分かりだと思うが、赤=宮崎、黄=松岡、青=吉川。映像でも吹き出しが色分けされていた。アイドルみたいに担当カラーを配色し始めたのは去年の春ぐらいだっけか。(分かりやすくてよいとは思うけど、私赤あんま好きじゃないんだよな。笑)
 そんなファイナル公演に向かう途中、突然サイレンが鳴り(会場内も赤い照明が点灯)、宇宙船が軌道から外れている、という事態。

 「わああああああ!!!」

 バーン!という効果音が鳴り響き、映像は一旦終了。スクリーンが上に上がるのと同時にロケットと土星が上方より登場、ここで大きな歓声と拍手が沸き起こる。ライブハウスでは絶対に出来ない演出。やべーホントにホールツアーだ…とこの時に思った。ステージ上にはゴツゴツとした岩がちりばめられていて、宇宙をモチーフにしたステージセット。(公式ライブレポートの写真参照)不時着した星でファイナル公演を行う、といった設定。
 ロケットが着陸しライトが照らされると、窓から3人の影。(ここでまた歓声)SEのURAWA-Cityが流れ、吉川→松岡→宮崎の順に登場、とここからはいつも通りのワンマンライブ。(3人が肩を組んでオー!と気合いを入れ美冴貴ちゃんがステージ上へ出ていく様子がロケットの窓から見えた)いつも通り、と書いたが、衣装はいつもと異なり3人とも宇宙服に似せたツナギ姿。色だけでなくデザインも少しずつ違っていて可愛らしい。

 1曲目、手のひらの宇宙。SHISHAMOのワンマンツアーは、2014秋の彼女の日曜日だったり、2015春の花だったり、1曲目の選曲が毎度予想を裏切ってきて面白い。1曲目はこだわっている、というのはメンバーも言っていた気がしたが、前回のツアーなんてどこにも出していない新曲を頭にやるという挑戦っぷり。手のひらの宇宙は正直アルバムの中ではあまり聴き込んでいなかったのだけど、今回のツアーですっかり好きな曲になってしまって何度もリピートしているし、やっぱりツアーの1曲目というのは本人達もそうだと思うけど思い入れが強くなる。曲終盤のエレキピアノのパート、ライブでは聴けないのが残念だなあ、なんて思っていたら、リズム隊の2人が♪タララララ~って歌い出すから驚いた。あの子達のアレンジ力には本当に驚かされるばかり。(アレンジ力に関してはまた詳しく後述)
 2曲目の中庭の少女たちで雰囲気一転、その後僕、実はと続く。挨拶を挟み、推定移動距離、アコギに持ち替え笑顔のとなり、と序盤からSHISHAMO3の曲を続けて披露。そんな中で深夜のラジオのセトリ入りはかなり嬉しかった。
 その後に続く、このホールツアーの最大の目玉とも言える、アコースティックコーナー。これ、ほんっとうに素晴らしかった、参りました…。宮崎→アコギ、松岡→グロッケン(鉄琴)、吉川→カホン、という編成。朝子氏のアコギから始まるがたんごとん。イントロで早々にグロッケンが入るのだが、彩ちゃんがカンと一音鳴らしただけで\カワイイ~/という歓声で場内がザワつく。どこの会場でもそれが起こる。ズルい。もう、本当にズルい。笑 「なんでだよ!!!」という美冴貴ちゃんの心の声が聞こえてくる。笑 
 その現象に本人も思わず苦笑いを浮かべたりしていたが、そんな大人気の松岡氏が奏でるグロッケン、これが最高に良かった。まず、アコースティックをやるとなったら、2人の楽器は決まるとして松岡どーすんの?ってなると思うんだが、鉄琴という発想、可愛らしいキャラクターから見てもピッタリ。原曲にはないフレーズがほとんどで、素敵なアレンジに仕上がっていた。急げ置いてかれるぞ、の後の間奏、リズム隊の2人の口から♪ラン~ララララン~というメロディー。…!原曲ではギターソロの部分。途中から高音で朝子氏もハモる。
 少し話はそれるが、3月の沖縄でのスリーマンの時に、キュウソメンバーがSHISHAMOのウツロウココロのカバー(この日はやらなかったがキュウソとの対バンで過去2回披露)を絶賛していて、ヨコタさんが「メロディーがキーボードだからどうするのかな~と思ったら、♪フゥ~フゥッフゥ~とか可愛い声で歌い始めて。3ピースの域を超えている。」と言っていた。
 対バンでのカバーでも感心していたが、今回のこのアコースティックを聴いて、本当にそれを感じた。3人で考えているんだと思うが、本当にあの子達のアレンジ力は凄い。アコースティック2曲目の花では、彩ちゃんはシェイカーを手にし、引き続きグロッケンもこなしていた。公式レポートにこのアコースティックのライブ写真が載っている。中央にだけ照明を当て夜空をイメージしていて、とても綺麗。明かりの下に3人がちょこんと座っていて、一列目センターだと気まずくなるぐらいの近さだったり。(実際に本人達も曲前のMCで「近いですね(笑)」なんて言っていたり。笑)足を組みアコギを抱える朝子氏の姿がたまらなかった。今年の2月のバレンタインの日に買ったとかいうアコギが早速大活躍。
 極上のアコースティックコーナーが終わり、再びアニメーション映像に戻る。「地球に帰れないのかな…」と不安な気持ちで途方に暮れる宮崎・吉川、一方で

 お腹すいた~!!!(´O`)

 とだだをこねる松岡。呆れる姉やん達。ジタバタしていると宇宙服に装着されている何かのスイッチが入ってしまう。“FOOT BOOSTER SYSTEM”と書かれており、足から炎が飛び出し、宇宙空間を飛べるといった仕組みのよう。今回のツアーイラスト、制作段階では足元の炎は無かったけれど宮崎が「炎が足んね~!!!」と書き足した、とのことだったが(観察日記より)、それがこんなところに発展するとは。
 そのフットブースターで地球を目指したいが燃料が足りない、エネルギーを集めなきゃ!!!ということで、9曲目のタオルに突入。きみと話せないのは、君と夏フェス、恋する、とアッパーチューンが続く。まだ前半戦ながらもまるで終盤のような曲の流れ。と思っていたら、恋するが終わると「ありがとうございました、SHISHAMOでした」とメンバーがステージから去ってしまった。時計を見なくてもまだ1時間ほどしか経っていないことはわかる。あれ?といった空気に包まれている中再び映像。エネルギーのチャージが完了し、3人は無事地球に生還。ここで宇宙ツアーは終了。

 少し間をおき、また映像が始まる。勢いよく地面に着地し「着いた~!」と声を上げる3人。今まではアニメーションだったがここからは実写の映像になる。

 ここはどこですか?
 川口市新荒川大橋です!

 といった具合に、ツアー各地で収録した各公演で異なる映像が流れた。収録先は、他にはメリケンパークだったりマツダスタジアムだったりテレビ塔だったり。「地球でも…ライブがしたいです~!」と美冴貴ちゃんが言い、「見てあの時計、もうあんな時間~!」ということで、会場に向かう。(決してその時計は映さない)(最初の公演の頃は、もうこんな時間!と美冴貴ちゃんが時計をしていない腕を指差す、なんていうコントみたいなことをやっていた。笑)会場まで3人が走って向かう様子もカメラに収め、会場前で「到着しました!ここが~…」「みんな待っているので急ぎましょう!」と言い残し会場へ入っていく、といった流れ。
 これ、毎公演分時間かけて撮っているのでかなり大変だったと思う。関東は事前に収録しておくとして、地方、特に連日のうちの2箇所目とか。1回だけ会場前での撮影に居合わせ一部始終を見学させてもらったのだが、4人(メンバーとK氏)で相談して何テイクも撮り直していた。会場に着く前の撮影スポットでも場所によっては当然目撃者はいるわけで、仙台だったっけか、では後をつけられ走って追いかけられて大変だった、とMCで笑い話にしたりもしていた。市原ではロケ地「市原ぞうの国」でぞうと戯れる3人の様子が上映され、他の箇所と比べるとレアな映像であった。
 映像が終わると、SEが流れ、場内後方にスポットライト。なんとメンバーが通路を通り客席を縫って登場。初日の川口では通常通り舞台袖から出てきたのでこのスタイルは2箇所目の神戸で初めて実施、その時は2階から観ていたのだけど3人が客に囲まれて前に進めなくなってしまっていたので(3人もその後のMCで「始められないかと思った(笑)」とか何とか言っていた)、登場形式戻るだろうなー(笑)、なんて思っていたがファイナルまでこのスタイルでした。(逆に言うと何で川口ではやらなかったんだろう)後ろについて一緒に走っていたK氏がビデオカメラを回していたので何かに使われるのだろうか。後半戦のSEは、お馴染みのURAWA-Cityと同じくSAKEROCKのEmerald Music。2014秋ツアーの時のSEが復活。懐かしい。久しぶりに聴けてテンションが上がった。

 今回のツアーは二部構成になっていて、ここまでの前半戦がロケットが墜落した先の星で行われた「宇宙編」、そしてここからは凱旋ライブ「地球編」が幕を開ける。SEがフェードアウト無しでストップされ照明は赤一色に一転、地球編1曲目は、僕に彼女ができたんだ。続けて、前回のツアーの1曲目となっていたごめんね、恋心。神戸・広島限定で3曲目としてサブギターの歌がセトリに入ったのだけど、その後の公演で無くなってしまったのが残念。
 宇宙編は映像は挟んだがほとんどMC無しのノンストップだったのでここでようやくトークタイム。「宇宙編、どうでしたか?」と朝子氏。映像撮影での裏話やどこどこに行った、などとその土地ごとの話題。地方公演では、ワンマンでたまに実施されている質問コーナーがあった回もあった。(これツイッターで散々言ったけど、まともな質問出た試しないから無駄に尺取るだけなのでやる必要ないと思う…)
 MCを挟み、ギターを弟(2代目)にチェンジし、熱帯夜~女ごころ~旅がえり、とゆったりと聴かせるセクションに。旅がえりではスクリーンが降りてきて、武道館でも上映された女の子が歩いているモノクロのアニメーション映像をバックに流しながら演奏した。ライブレポートの写真でもわかる通り、この曲の時は3人が居ることがわかる程度のほとんど真っ暗な照明で、顔が見えなかったのは残念だったが曲と映像と雰囲気がマッチしていてとても良かった。
 再びMC。SHISHAMOのワンマンでは恒例の、属性調査。「小学生~!」「中学生~!」と、客席に向かって問いかけ、挙手を求めさせる。「小学生」と「小学生以下」、この2つの項目が重複していることに、ファイナルの福岡で気付く朝子氏。「未満って言えばいいんでしょ」…なんて嫌々しく言うかと思ったが、「私が悪い!」と謝っていた。笑(この日居た小学生の子が2度続けて挙手してしまったことから始まる)そんな小学生や大人まで、本当に幅広い年層の人に愛されているSHISHAMOだが、やはり高・大生が多くの割合を占める。「19歳(未成年)でも社会人っていう人はいるから、“大人!”の幅をもっと狭めてほしい」とかいう意見をツイッターで見かけたが、あなたは良いかもしれないけど、上の層をあぶり出してもね…(苦笑)社会人、だと社会に出てない人だっているからね、と前のツアーだかで言っていた。(美冴貴ちゃんが「やめな」と突っ込む。笑)属性調査の他に、「Blu-rayプレーヤー持ってる人!」なんていう問いかけも。普及率は完全ではないが半数ほどは持っている模様。「最近何観ましたか?」ということで、4/6にリリースされた映像作品「SHISHAMO NO BUDOKAN!!!」の宣伝。「観た人!」と挙手を求めると、どの会場でもかなりリアルな感じに。笑 「数が合わないぞ」「環境は整っているのに」などと嘆くメンバー。映像作品って、本当に好きな人しか買わないと思うんだよね。曲は聴くしライブも行くけど映像はいいかな、って人いると思うし、自分の中でもそういうバンドはあるし。でも、あの作品は感動が詰まっていて素晴らしいので是非観てほしいですけどね。ちなみに、メンバーはというと、3人のうちなんと2人がBlu-rayプレーヤーを持っていない。吉川家では観れもしないのにBlu-rayのパッケージごとテレビの横に飾ってあるらしい。朝子氏はプレステを持っているので一応観れる環境にある。これ完全に余談なんだけど、あの子最初「ウチ観れないけどね~」とか言ってて、私が2月の終わりぐらいに「バイオやるならプレステ持ってますよねー?」ってリプライ飛ばしたんだよなあ。………っていう、自意識過剰な話。笑
 恒例のコーナーを終え(ここ毎回結構尺取るんだよなー笑)、ここから地球編後半戦。今まではセトリの前半に位置していることが多かった量産型彼氏。ドラムソロが大幅にアレンジされ、更にかっこよくなっていた印象。バンドマン、さよならの季節、と定番のナンバーが続く。最後の挨拶をメンバー一人ずつ言い終え、最終ブロックに。「ありがとうございます、生きるガール」去年の春ツアー鹿児島で初めて聴いたこの曲もすっかりキラーチューンになった。ラスト2曲はアルバム通りの流れ。君とゲレンデが終わると同時に、何やらポチポチと操作している吉川氏。ラストナンバー、みんなのうた。ホーンパート、LINE MUSICスタジオライブの時はホーン隊を引き連れてきたが、今回は音源と同期演奏、という形に。今回初のホールツアーということで様々な挑戦を取り入れたライブとなったわけだけども、今までと変わらず、終始3人だけでライブを行ってくれたことは本当に良かった。(以前某M誌で鹿野氏が言っていた「フルストリングス入れてバーンと」、みたいなのもいつかは観てみたい気もするが)(まあ、ツアーで外注はさすがに厳しいか。笑)
 3人が中央に集結し、繋いだ手を上げ、マイクを通さず「ありがとうございました!」と客席へ叫び、一礼。3人がステージから去り、終演ナンバーのピーズ先輩の東の窓が流れる。これにて地球編、及び公演全体が終了。二部構成、アンコールは無し。公演時間約2時間半前後。冒頭にも述べたが、本当に素晴らしいツアーだった。アコースティック等、新たなSHISHAMOが観れたツアーだったと思う。

 以下、ベースとなるセットリスト。

《宇宙編》
01. 手のひらの宇宙
02. 中庭の少女たち
03. 僕、実は
04. 推定移動距離
05. 笑顔のとなり
06. 深夜のラジオ
07. がたんごとん (acoustic ver.)
08. 花 (acoustic ver.)
09. タオル
10. きみと話せないのは
11. 君と夏フェス
12. 恋する

《地球編》
01. 僕に彼女ができたんだ
02. ごめんね、恋心
03. 熱帯夜
04. 女ごころ
05. 旅がえり
06. 量産型彼氏
07. バンドマン
08. さよならの季節
09. 生きるガール
10. 君とゲレンデ
11. みんなのうた  

 ちなみに、初日川口では僕かのが宇宙編のきみと話せないのはの位置に組み込まれていて、地球編1曲目はごめんね、恋心、2曲目に旅がえりといったセトリだった。登場の件もそうだけど初日とその後の公演で色々と変更点アリ。初日はゲネプロ的なもので、そこから色々と練り直していく感じなんでしょうかね。神戸・広島の2箇所のみで地球編最初のブロックにサブギター、ファイナルの福岡公演では特別に、地球編後半戦のはじめ(量産型彼氏の前)に新曲を披露。この新曲、福岡公演前日のメトロック大阪編のリハーサルにて初めてお披露目されたものなのだが、疾走感溢れるSHISHAMO色満載のナンバー。歌詞ははっきり覚えていないが、恋愛系だったように思う。シングルでは無さそうかなーという印象だけど、夏頃にまた何かしらのリリースはあると思うので、早く音源で聴きたい。アンコール無し、という点に関しては、「客の余韻が微妙になるからやった方がいい」という声も聞こえ、確かに終演後どの会場でもほとんどの人が暫く席についたままの状態で3人が再びステージに現れるのを待っていた。本編を数曲減らしアンコールに持ってくる、といった案もあったのかもしれないが、二部にわたるライブでひとつの物語が完結している感じが個人的にはとても好きだった。
 完全なる余談になるのだけど、今回の宇宙ツアーを観終わった後、あるアイドルグループの過去のコンサートを思い出した。それは遡ること6年前、2010年に行われた『テゴマス 2ndライブ テゴマスのあい』、ジャニーズのNEWS内のユニット「テゴマス」のセカンドツアーである。(私は実は数年前まで全く違う畑に居た人間なのです…笑)
 そのツアーでは頭と終わりにアニメーション映像が上映された。ライブが始まる前に流れる映像では一冊の絵本が現れ、表紙を開くと同時に1曲目のイントロが流れて2人がステージに登場、ライブ後の映像でその絵本が再び映し出される。1ページの中に曲名とライブ写真が収められていて、ページがめくられていくのだがそれがセトリ順に並んでいて、最後にはバンドメンバーのクレジットも入り、背表紙には日付と会場名が記載されている。その一冊の本が本棚に並び、公演を増すごとに一冊ずつ増えていく、ファイナルではその本棚がいっぱいになる、といった内容のアニメーション映像だった。初日からファイナルまでセットリストは変わらず、本編と1回のアンコールまでで1公演が完結していた。(ジャニーズのコンサートではダブルアンコールまであるのが当たり前で、多い時ではトリプルまである)
 …って、SPICEのレポートのユーミンがなんちゃらとかいう下り以上に話が脱線してしまったが、初日の川口公演を観た後、ふとこのツアーのことが蘇った。数年ぶりにDVDを見返してしまったぐらいだ。繰返しになるが、今回の宇宙ツアー、はじめから終わりまでがひとつの物語のようになっていて、ロックバンドのライブとしては新鮮だけど、本当に綿密に考えられた今までにはないライブになっていた。先述のテゴマスの場合は当然のごとく演出家ってものが存在すると思うのだが、SHISHAMOの場合はメンバー3人自らが立案し、創り上げている。(多分)いや、もう、ほんと恐れ入りました…。度肝抜かれました。今回のツアー、もう一度“初めて”観たい。
 そんな一冊の絵本のようなコンセプトライブでも、3人から発せられる音は今まで通り、いや今まで以上に最高にロックだった。弟ギターも交えたり、ドラムソロにアレンジが加わっていたりと、前回のツアーからさらにパワーアップしていた。「ライブには曲を聴きに来てほしいから、ホールツアーはSHISHAMOには合っていると思う」と朝子氏が雑誌のインタビューか何かで語っていたが、今回全国各地のホールでSHISHAMOの音を堪能出来て、本当に幸せな空間だった。元々曲が異常なほどに良いから、ホールという環境で聴けることも最高な贅沢だと感じるし、誰にも邪魔をされず、体力の心配も無用で楽しめる指定席って素晴らしい。ライブハウスよりも個人的にはホールの方が好きですね。(まあ一番好きなのは“ギュウギュウじゃない”ハコだったりするんだけど。笑)同じツアーは絶対に出来ないけど、またホールツアー回ってほしいな。秋のツアーがどうなるかが楽しみ。

 今回のツアーでは過去のツアーでも行われた、「ししゃモバくじ」が各会場で開催された。今回、1等の商品が“SHISHAMOとふれあいチケット”なんていう目を引くようなものになっており、各会場3組の幸運の持ち主がバックステージに招待され、終演後のメンバーと触れ合える、といった内容になっていた。どうして今になってまたこんなことを始めたんだろうか。(ついでに言うと先日のカラオケパーティーも)まあ、本人達が楽しんでいる様子がツイートから伺えたので、良い企画だったのかな。個人的には従来のサイン入りTシャツで良い気がするんだけどなー、当たっても困っちゃう。笑(勿論当たりませんでした。あ、でも、名古屋で2等のサイン入りステッカーが当選しました。もうかれこれ総計で20回近く引いてる気がするが何気に初。)K氏が言ってたけど、缶バッジ(去年の野音、秋ツアー、武道館での景品)は、全て手作業で一つ一つ作っているのでなかなか大変みたいです。

 全11公演中、Sold outになったのは最初の3公演(川口、神戸、広島)と神奈川だけだったが、寂しい感じになっていたのはGWド真ん中の金沢だけで(5割強~6割程度)、関東の辺鄙な地域2箇所も大方埋まっていたし、今ツアー最大キャパの名古屋・センチュリーホール(キャパ規定3000)なんて3階席までビッシリのほぼ満員、ファイナル福岡もほとんど売切だったと思う。去年の11月、近畿大学の学祭ライブで初めてホールでのライブを観た時に、ホールツアーとか観てみたいなあなんて漠然と思っていたのだが、すぐ次のツアーでそれが実現するとは正直思っていなかった。集客状況を心配していたりしたんだけども、結果、大成功でしたね。SHISHAMOのキャパの広がり方はここ2年で尋常ではないスピードで進んでいて、勢いが止まらないどころか加速する一方だからスゴい。武道館、大阪城ホール、ときたら次のアリーナは名古屋のガイシホールだろうか。アリーナツアーを回る日もそう遠くはない気がする。「ホールとかアリーナとかもういいや」といった具合に離れていく人を見かけ、とても寂しい。私はそこまで昔から知っているわけではないが、あの子達がバンドを続ける限り、絶対に見捨てたりなんてしない、と誓う。もっともっと大きくなってほしいし、どこまでいくのかこの先が本当に楽しみである。

 今回のツアーに関して、K氏にどれくらい前から準備していたのか聞いたところ「3週間ぐらい前?」との回答だった。SHISHAMO3のプロモーションが終わった頃ぐらいか。その短期間であのクオリティ。朝子氏はイラストを夜なべして描いたと言っていたし、相当大変だったことだろう。本当にお疲れ様でした。メディア及び収録が入っていた神奈川公演にて、今日の映像が何か形になる、とMCで言っていたので映像化、期待して待ってます。「Blu-rayで出るんじゃないかな~って私は思うんだけど~」とのことだったのでまた高画質であの公演が観られる日が楽しみ。このツアーは絶対に、絶対に、作品として残すべき。
 6月の大阪城ホールワンマン。ホールツアーとは全く異なる演出、とのことなので、また違ったスゴいものを観せてくれるのだろうか。期待が高まる。今現在少しずつ練り始めているみたいなので約1カ月後楽しみにしています。キャパ規定16000!なんばHatchの10倍!BIGCATの20倍!埋まってほしいなあ。武道館の時ほど、遥々遠征するという人をあまり見かけないのだけど、武道館と同じかそれ以上にメモリアルなライブになると思うので、迷ってる方は是非来てほしいですね。

 だらだらと駄文を書き綴っていたら気付けば1万字超え…(苦笑)(大学のレポートですらこの半分の文章量すら書いたことがない)書こうと思えばまだまだ書けたりするんですが、はてなブログのプレビューにおける文字数制限が12000字とかいう話をちらっと見かけたので、この辺で幕を閉じたいと思います。笑 ここまで時間を割いて読んで頂き有難うございました。ツアー全通を記念して、今後写真付で各地の遠征記をアップする予定ですので(誰も興味無いとは思うけど)もしよろしければそちらも御覧ください。

 SHISHAMOは本当に、すっげえバンドです。